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太宰治【人間失格】あらすじと感想

      2017/02/22

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あらすじ

 

私は、その男の写真を三葉(三枚)、見たことがある。

この書き出しで始まるある男の三葉、すなわち幼少期、中学生時代、高校生から廃人同様になるまでの苦悩を描いた手記です。

 

本当の自分を誰にもさらけ出す事のできない男が道化を演じながら孤独な生涯を送る物語です。
「恥の多い生涯を送って来ました」というフレーズはあまりにも有名でインパクトがあります。

本性をさらけ出す事も出来ず、人と向き合う事に恐れを感じている男には何故か黙っていても女性が寄って来るのです。

 

アルコールやタバコ、そして女性に溺れ、左翼思想を抱きながら堕落して行く事で自分の抱く恐怖心から一瞬でも解放されているような気分に陥り、罪の意識を感じながらもどんどん深みにはまって行くのです。

 

絶望の淵に立ちながらも一人の女性と知り合う事によって、人並みの幸福を手に入れるも束の間、ある事件がきっかけとなり再び深い絶望感からアルコールに溺れ、自殺未遂にまで至ってしまうのです。

 

治療のために使用したモルヒネがきっかけとなり、モルヒネ中毒に陥り男の堕落した人生は留まることなく降下し続けます。最終的には脳病院へ入院させられ狂人となり、自分は人間を失格したのだと思いつめる主人公はあまりに痛々しく感じます。

 

作者自身がこの作品を完成後に自殺していることから自伝的小説とも遺書的小説とも言われいる作品で、読み手にも非常に大きな影響を与える作品ということが出来るでしょう。

 

直筆で読む「人間失格」 (集英社新書 ビジュアル版 11V)
太宰 治
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感想

誰しもが自分に違和感を持ったり、本当の自分がわからなくなる事もあります。人と向き合う事に恐怖を感じたりした時に読者である自分ならどうするだろうかと考えさせられる作品です。

 

生きていれば、人間ならば、男のような人生ではなくとも別の形で逃げ道を探してしまう事もあるのではないか、罪の意識を感じながらも止める事の出来ない衝動に駆られる事もあるのではないかと思うのです。

主人公の一人の男から人間と言う生き物の人生を深く考えさせられる作品です。

本の完成から1カ月、太宰は自らの命を絶ちます。葉蔵を通して描かれた太宰の心の転落人生は、読むものを陰鬱な気分にさせながら、なぜか引き込まれてしまいます。

 

私自身も思春期に読んだ事もあり、主人公に妙に共感し読み終わった後非常にダメージを受けた覚えがあります。

これは精神的に弱っている時には読んだらいけない小説だとしみじみ思いました。

それくらい心を揺さぶる小説であり、人間の心の奥底をさらけ出した小説だと思うのです。人間というのはキレイなだけの生き物ではないのでこの主人公みたいに感受性の強い人間は生きにくいのが世の中なのだと思ったりもしましたか。

が、あまり共感しすぎると危険なのでほどほどにしておきましょう(笑)
特に現在10代~20代前半の方はのめりこみすぎませんように。

 

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