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2015本屋大賞【鹿の王】上橋菜穂子 あらすじ

      2019/04/10

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あらすじ

強大な帝国が版図を広げつつある世界。
故郷を守るための戦士団の頭だった「欠け角のヴァン」。

ヴァンは全滅した戦士団で唯一生き残り。岩塩鉱で奴隷として働かされている絶望的な状況から始まります。

囚われの奴隷達の前に突如現れた山犬は岩塩鉱に居るすべての人間に噛み傷を残して去りますが、それは謎の病の始まりでした。

岩塩鉱に居た人間は、高熱の末に再び生き残ったヴァンと、かまどに隠された女の子を除いて全員病で死に絶えていました。

ヴァンは女の子をユナと名付け、一緒に岩塩鉱から逃亡します。

もう一人の主人公は、高貴な血筋に生まれ<魔人の御稚児>と噂されるほどの類まれな医術の才を持つホッサル。

ホッサルは岩塩鉱に蔓延した病を、遥か昔ホッサルの故国、古オタワル王国を滅ぼした「黒狼病」を疑います。
伝染病の治療法を探し求めるホッサルは、岩塩鉱から逃亡した奴隷であるヴァンを探し始めます。

強大な帝国のゆがみを感じながら治める統治者、病を兵器として使う抵抗勢力と、それを食い止めようとするホッサル達。そして病から生き残ったヴァンとユナ。

複雑な思惑が絡み合う中、ホッサルはヴァンと会い、黒狼病を食い止めるヒントを得ます。

「鹿の王」というタイトルは、この世界で馬や牛と並んで北方で家畜として飼われる飛鹿の生態から名付けられたものです。
飛鹿乗りであったヴァンは、群れを守る為に現れる鹿のことを「鹿の王」と呼ぶのだと語ります。

病を伝染する山犬たちを抑えられるのが自分だけだと知ってしまったヴァンは、もう人の世界に戻れないかもしれない中、山犬を抑えるために飛び出していきます。
「鹿の王」と同じ立場に立ったヴァンの逡巡を鮮やかに描いています。

感想

 

大国に征服され恨む人々や、虎視眈々と版図を広げようと狙っている隣国の思惑、伝染病との戦いが重なる複雑な小説でした。ヴァンが森に消えたあと、家族のように過ごした人々が、ヴァンを追って行くところで終わります。

ヴァンとユナの親子のような愛情、追手であったサエとの愛情。ヴァンにも幸せな日々が戻ってくることを願って止みません。

実際に「鹿の王」を読んでみて感じたのは、世界のどこかにありそうでなそうなファンタジーの世界を舞台にしてはいるものの、実際には現代でも通用するような人間関係のこと、人間と自然、動物との関わり、そして病気というものへのあり方や関わり方を考えさせられるような作品だと言うことです。

鹿の王では、病を「もともと森の奥深くに潜んでいたものであったもの」と位置付けており、それが政治や欲望のために利用され、人間の世界の事情で表の世界に出てきてしまった結果、人間たちを苦しめはじめる事になっています。

このようなストーリーの部分は、現代社会においても問題となっているエイズやエボラウイルスに相通じるところもあります。ファンタジー小説といいつつも、現代小説として読み進めても面白いかもしれません。

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