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太宰治【斜陽】あらすじ

      2019/03/21

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あらすじ

終戦直後の昭和二十年。GHQによる財閥解体で没落貴族となってしまった上、当主である父も十年前に亡くなり、叔父からの支援で生活していた姉のかず子(二十九歳で六年前に離婚)と母(「お母さま」と呼ばれている)は、東京の家を売却し、伊豆で暮らすことを決意します。

一方、戦地に赴いていた弟の直治が帰還するものの、学生時代から患っていた麻薬中毒は酷くなっていました。

そして、何かにつけ家の金を持ち出し、東京へ出掛けては、上原(無頼派の小説家)のもとで荒んだ生活を送り続けます。
その後、直治を介して上原と運命的な出会いをしたかず子は、ふしだらな生活を送る既婚者の上原に強く惹かれてゆきます。

 

そんな折、貴族としての誇りを捨てずに、二人の子供を最後まで暖かく見守ってくれた母が結核で鬼籍に入ってしまいます。

麻薬を絶つこともできず、上原の妻への実らぬ恋に懊悩していた直治も、かず子と上原のひめごとを知って、母の後を追うように遺書を遺して自殺してしまいます。

 

直治の自殺と前後して、かず子は上原の子を妊娠したこと、自分が妊娠したことで上原が自分から次第に距離を置き始めたことなどに気づき始めます。

和子は1人で子供を育てることを決意して、「古い常識と争い太陽のように生きていく」という手紙を上原にしたためます。

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その時代では道徳上許されない行為ですが、和子は太陽のように生きることを選びます。
つまり、かず子はシングルマザーとして生きていくという事なのでしょうね。

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感想

戦争を境にして、今まで信じてきた倫理観や価値観、そして肩書が意味を持たなくなってしまった時代背景を、貴族と小説家を対比させることで描いた傑作だと思います。

「鬼畜米英」といって英語の辞書すら踏絵代わりに使用された戦前から、アメリカの占領下に置かれ、いやが上にもアメリカ的価値観を学ばざるを得なくなった戦後への転換期は、高度経済成長を経験し、バブル崩壊に巻き込まれ、インターネットの登場による劇的なパラダイムシフトを経験している今現在に酷似しているように思えてなりません。

 

ラストシーンの余韻ばかりが感想にあげられますが、私は太宰治らしい自身の投影が光る傑作だと思っています。恐らく初期は直治、末期は上原に自身を投影しているのでしょう。

 

太宰治は自分の事をどう見ていたのか、またどう見て欲しかったのかを意識しながら読むとまた別の面白さを感じられます。
そして太宰作品の中でも極めて稀な力強さが感じられると思います。

 

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